立川駅南口
すべて消えた南口
【 立川駅南口 '89年/'03年】
商店街から駅方面を望む。再開発で何もかも消えてしまったため、どこがかつての撮影ポイントなのかわからず苦労した。横断歩道向こう側の商店街はかなり最後まで残っていたようだ。
多摩3大都市のひとつである立川市は立川駅を中心に市街が形成され、JR中央・青梅・南武各線が乗り入れている。北口には高島屋・伊勢丹・丸井が進出、1982年には駅ビルも完成した。しかしこれとは対照的なのが南口で、デパートもなく古い商店街に細い道、路上駐車はもちろん駅前にマイカーを乗入れることもままならない街なみであった。以前私も立川で働いたことがあるが、南口は常に「栄えてないほう」と説明し、それで通じた。
1989年ここ立川にモノレールが建設されると聞き、足を運んだ。歩道もない通りには、車道中央にまで人があふれ木造の商店街が延々と続いている。シャッターを切ったはいいが、こんな所にモノレールなど通せるものかと首をかしげた。しかしどうだろう、5年たち10年たち、確実に商店街は歯抜けとなり空地が増えてゆく…。気付くとかつての通りの位置さえわからなくなってしまったではないか。そして予定通り2000年、モノレールは南口上空を悠然と通過、駅ビルまでできてしまった。都市計画… それは素晴らしくも恐ろしいものなのかもしれない。これだけ広範な商店街を全て更地にするのにどれだけのドラマがあったか、外部の人間には想像もつかない。そしてもはや「栄えてないほう」では通じなくなった。
【上記より逆方向を望む '89年/'03年】
既存の商店街はすべて消え、とても同じ場所とは思えない。ゆったりとした道路の上には多摩都市モノレール・立川南駅もできた。
【 さらに南から駅方向を望む '97年/'03年】
こちらはモノレールの橋脚が立ち始めた1997年。右側はすでに立退きが終了、左はまだ旧商店街のままである。
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